こんにちは。
わきが対策ポータル – ANAWAKI (あなわき) を訪問してくれて
ありがとう。
当サイトのワキガ対策アドバイザー、スミカです。
おそらくあなたは
「ワキガ 原因」や「ワキガ 対策」といったキーワードで検索をした結果、
ここにたどり着いて今このサイトを見て頂いているのかもしれません。
そしてそんなキーワードで検索をするという事は、
あなた自身がワキガに悩んでいたり・・・
あなたの友人や家族がワキガじゃないかと疑っていたり・・・
もしかして今とても苦しい思いをしてるんじゃないかしら。
それはとても辛くて、きっと
「もうなんでもいいから本当に効く対策をいますぐ教えて!!!」
という気持ちでいっぱいになってると思うんだけど…
例えば、ワキガ対策としてデオドラント製品を買うにしても、
今世の中には、1,000種類以上のデオドラント製品が出回っているの。
それはスプレーだったり石鹸だったりクリームだったり…
そしてひとつひとつが成分も違って、使用方法も値段も様々よね。
でもほとんどの製品が
「すぐ効く!」とか
「ニオイとオサラバ!」
なんてうたってるわよね。
じゃああなたはその中からいったいどれを選ぶの?
何を基準にして選ぶの?
広告がおしゃれだから?
販売元が大手メーカーだから安心?
天然成分が一番?
残念ながらこれらは、
ワキガを治すための何の根拠にもなりません。
ワキガは生理現象なの。
生理現象には、どうしてそれが起こるのか、なぜそれが嫌なニオイに繋がるのか、
ちゃんとした原因とメカニズムがあります。
その原因とメカニズムを知ることで、
それぞれの原因に対してどんな対策が効果があるのか、
どの製品のどんな成分が効くのかを知ることができる。
つまり
あなたはもうどんな製品を選べばいいか迷わなくなる
ということね。
まぁワキガに限らず、
困りごとを解決したいなら、まずは原因を知ること
これがいつでも大事ね。
あなたが自信をもって自分で製品を選べるようになる
そのためにもまずはワキガの原因を知ること
それが私からの提案です♪
それではこのページではワキガの原因とそのメカニズムを
勉強していきましょうね。
ワキガと汗
はい、ここからは解説モードです。
ワキガの原因として真っ先に思い浮かぶのは「汗」ではないでしょうか。
夏の暑い時期や、運動をした後など、
脇の下ににじむ汗からムワッとした嫌なニオイがするというのは、ワキガの人でなくとも経験したことがあるでしょう。
実際、汗はワキガに大きく関係しています。
「発汗を完全に抑えることが可能であれば、
ワキガは改善できる」
と断言しても良いでしょう。
であれば「汗を止める方法を探すのが最優先だ!」と思うかもしれませんが、
そう簡単ではないのが人間の体というものです。
汗の役割
そもそも汗は何のために出るのでしょうか。
まずは汗の役割を知りましょう。
1.体温の調節
まず汗の役割で最も重要なのが、体温調節です。
生物の授業で習った恒温動物という言葉を覚えていますよね?
人間は恒温動物ですので、体温をおおよそ35度から40度の範囲で一定に保つ必要があります。
体温が必要以上に上がったり下がりすぎたりしてしまうと、脳がその働きを失い、動けなくなってしまうのです。
そのため脳は体温の上昇を感じると、全身の発汗を促します。汗が蒸発するときに体の熱を奪う仕組みを利用して、体温を調節しているのです。
これは人間が進化の過程で、日中でもより長く活動できるように発達させた素晴らしい機能です。犬やサルなど他の多くの恒温動物は持ち合わせていません。
例えば人間はトレーニングをすれば真夏でも数時間走れますが、犬はせいぜい15分が限界です。
もし人間がこの発汗による体温調節の機能を持っていなければ、おそらく炎天下では道ばたの犬のようにへたり込んで一歩も動けないことでしょう。
2.皮膚の保湿
スポーツ選手ってみんなお肌がキレイだな、と思ったことはありませんか?
彼らは習慣的にたっぷりと汗をかいています。そのため汗腺の機能が日頃から鍛えられており、彼らのかく汗はサラサラのキレイな汗であることが多いのです。
(このメカニズムは後ほど説明します)
サラサラの汗は皮膚への浸透率も高く、肌に潤いを与えます。それだけでなく、皮脂と混ざることでクリームのように肌の表面をコーティングし、乾燥を防ぐ役割も果たします。
このような役割を持つがゆえに、汗は天然の保湿液とも言われるのですね。
3.肌を清潔に保つ
汗というだけで「ばっちぃ!」と思う人もいるかもしれません。ですが、本来汗には皮膚のヨゴレを洗い流すという役割もあります。
また、汗は肌の保湿にも役立っているため、まったく汗をかかないと肌は乾燥してしまいます。
肌が乾燥すると古くなった角質に雑菌が繁殖したり、潤いを取り戻すために必要以上に皮脂を分泌させたりするため、肌が清潔な状態を保つのが難しくなってしまうのです。
カサカサの皮膚がなんとなくヨゴレやすそうなのはイメージしやすいですよね。
4.老廃物の排出
汗には、いわゆるデトックス効果の役割もあります。
あらゆる毒素や余分な栄養素は主に肝臓で分解されます。肝臓で分解しきれなかった毒素や老廃物を汗からも排出することで、肝臓が働きすぎて疲れてしまうのを防いでいるのです。
5.異性へのアピール
これは少し意外ですよね。
現代では人々から嫌われている「汗クサさ」は、実はもともと異性へのアピールの役割を持っていたというのです。(確かにいまでも「汗クサイのが好き」という人はいますが…)
例えばワキ毛や陰毛は、大事なところを守るためだけでなく、汗の匂いがより際立つように生えているとも言われています。
以上が大まかな汗の役割です。
もちろん汗の役割はこれだけではないけれど、これだけの機能でも、汗が人間が生きていく上で非常に大事な生理現象であることがわかるんじゃないかしら。
ワキガ対策に重要なのは、すべての汗を止めることではないの。
大切なのはニオイの原因になっている汗をどうケアするか、ということを覚えておいてね。
汗とニオイの関係
さぁここからが本題です。
この章では、人の体で汗がどのように出るのかを見ていきますが、このメカニズムがワキガの原因と深い関係があるのです。
体の表面にある、汗を分泌する腺のことを汗腺といいます。
汗腺には2種類あり、ひとつはエクリン腺、もうひとつをアポクリン腺といいます。
大事なことなのでもういちど言わせてください。
エクリン腺とアポクリン腺です。
下の図でこの二つの汗腺が体のどの部分に分布しているかをご確認ください。
エクリン腺
まずエクリン線は全身に分布しており、特に頭皮、胸、背中、手のひら、足に多く存在します。
この汗腺から出る汗の99%は水分で、あとは微量の塩分やミネラルが含まれています。
このエクリン線から出る汗は、前述した汗の役割でいうところの
・体温の調節
・皮膚の保湿
・皮膚を清潔に保つ
・老廃物の排出
を担当しています。
確かに暑いときや運動して体温が上がったときは、まず頭(額)や手足によく汗をかきますよね。このような汗はエクリン腺から出る汗なのです。
エクリン腺から出る汗は99%が水分であるため、質感としてはとてもサラサラしており、
肌の保湿やお掃除にも役立っています。
アポクリン腺
そしてもうひとつの汗腺が、アポクリン腺です。
エクリン腺が汗孔 (汗を出すためだけの穴)から汗を出すのに対し、アポクリン腺は毛穴から汗を出します。
そしてアポクリン腺は主に耳の穴、ワキ、乳首、陰部に分布しています。
もうお気づきかもしれませんが…
このアポクリン腺が、ワキガの原因です。
アポクリン腺から出る汗は、70〜80%が水分で残りはたんぱく質、脂質、糖分、ミネラル、尿素、アンモニアなど様々な成分からなっています。
エクリン腺から出る汗に比べ水分量が少ないため、ベトッとした粘り気を持っているのが特徴です。また成分のバランスによって白み、黄色み、赤みなどの色を帯びていることもあります。
ここでひとつ覚えておいていただきたいのですが、
エクリン腺にしろ、アポクリン腺にしろ、汗自体はもともとニオイを持っていません。
汗腺の中では全く無臭なのですが、一度体の外に分泌されて、皮膚のヨゴレや皮脂、細菌などと混ざることでニオイを発生させるのです。
人間の皮膚の表面には、常在菌(じょうざいきん)と呼ばれる無数の細菌が存在します。
常在菌には種類があり、良いはたらきをするものもいれば、現代人には不都合なはたらきをするものもいます。
例えば、表皮ブドウ球菌と呼ばれる常在菌は、
汗の成分や皮脂を食べて分解し、クリーム状のバリアを生成します。
このバリアが皮膚をコーティングすることで、外部の有害な菌から人体を守ったり、皮膚の潤いを保ってくれています。
一方でジフテロイド菌と呼ばれる常在菌は、この分解の際に非常に強いニオイを発生させます。
アポクリン腺から出る汗には、ジフテロイド菌のエサとなる脂質やたんぱく質が多く含まれています。
これらの成分が分解され発酵することで、他の体臭とはあきらかに違う強烈なニオイを放つのです。
このニオイこそがワキガのニオイであり、
玉ねぎのニオイ、ネギを束ねたニオイ、スパイスのニオイ、鉛筆の芯のニオイとも表現されます。
そしてアポクリン腺から出る汗の役割はずばり、
・異性へのアピール
・老廃物の排出
です。
人間がまだ狩猟生活をしていたころ、狩場でお互いの種族を見分けたり、異性に強い存在感を示すためにも、ニオイは非常に重要なファクターだったのよ。
アポクリン腺はその時のなごりで、まさにニオイを出すための汗腺と言えるわね。
まぁ現代の日本においては全く必要のない機能なんだけどね…
さすがにネギのニオイに興奮しないもんね。
異性にアピールする機能のおかげで逆に恋人が出来ないとか悲惨すぎませんか…!?
(ネットでワキガフェチとか言ってる人はある意味
本能に忠実だったのか…)
それではここでワキガと汗の関係について一度まとめてみましょう。
|
エクリン腺 |
アポクリン腺 |
分布 |
・全身
・頭皮
・胸
・背中
・手
・足 |
・耳の穴
・脇
・乳首
・陰部 |
成分 |
・水分 99%
・塩分
・ミネラル
など |
・水分 70〜80%
・たんぱく質
・脂質
・糖質
・ミネラル
・尿素、アンモニア
など |
役割 |
・体温の調節
・皮膚の保湿
・皮膚を清潔に保つ
・老廃物の排出 |
・異性へのアピール
(ワキガの原因)
・老廃物の排出 |
ワキガは体質である
ワキガの定義
ここまでで、ワキガはアポクリン腺と、それを分解する常在菌が原因であるということがわかりました。
それではワキガの人と、そうでない人にはこのアポクリン腺にどのような違いがあるのでしょうか?
この疑問は、「そもそもワキガとは一体なんなのか」というワキガの定義に繋がります。
ここで改めて、ワキガの定義を知っておきましょう。
ワキガの定義
生まれつきアポクリン腺の数が多く、なおかつ活発に機能しており、
本人または周囲がそのニオイに悩んでいる状態
つまり、脇がクサいかどうかだけではなく、アポクリン腺の数が多いかどうかでワキガは決まるのです。
というのも、エクリン腺から出る汗も微量ながらミネラルなど、
菌の栄養となる成分を含んでいるため、放置すれば当然ニオイを放つのです。
いわゆる「汗臭い」ニオイですね。
このニオイをワキガと勘違いしてしまう人も多く、ワキガ治療クリニックなどに相談にくる人の50%以上がワキガではないという診断を受けるそうです。
アポクリン腺由来のワキガのニオイは独特で、エクリン腺由来の汗臭さとは明らかな違いがあるのですが、一度気になってしまうとやはり不安になってしまうのでしょうね。
ワキガは遺伝する
また、ワキガの定義のなかで”生まれつきアポクリン腺の数が多く”という表現がありました。
実はアポクリン腺の数や大きさは生まれつき決まっており、3歳頃までに確定するそうです。
言い換えると、ワキガは遺伝子レベルで決まっている体質であると言え、
しかも親から子へ遺伝することが確認されています。
もし両親のどちらか片方がワキガの場合、約50%の確率で子供もワキガ体質になり、両親ともワキガだった場合は80%の確率で子供もワキガ体質になると言われています。
あ、うちはお母さんがワキガです…
初めて相談した時はすごく申し訳なさそうだったけど、
その分真剣に話を聞いてくれて、ちょっと救いになったかも…
そうね、ワキガは体質で、本人にはどうしようもないんだけど、
ワキガの知識がない人にはそれがわからないわよね。
ワキガではない人には、ただクサイという事実以外には何もないからね。
ワキガの人の気持ちはワキガの人にしか、わからない。
その分同じ経験者として、お母さんは真剣に聞いてくれたんだと思うわ。
それとは別に、もう一つ知っておいて欲しいんだけど、
生まれつきワキガ体質だからといって、必ずしもワキガを発症しているとは限らないの。
ワキガの嫌なニオイの原因は、アポクリン腺から出る汗とそれを分解する常在菌ということはわかったわよね?
これは言いかえると、
いくらアポクリン腺の数が多くても、活発に機能していなければ、常在菌のエサとなる成分も分泌されないから、
ワキガ特有のキツいニオイは発生しない、ということなの。
この、”アポクリン腺の数は多いけど、活発に機能していない”人がまれにいるのよ。
「ワキガ特有の臭いがする」ことがワキガの必須条件だとすると、
「ワキガ体質である」ことと「ワキガである」ことは必ずしも同じ意味ではないということね。
仮に「両親ともワキガじゃないのに、自分はワキガになった!」ということがあったなら、
ご両親のうちどちらかはワキガ体質だったけれど、実際にワキガが発症していなかった、ということも考えられるわね。
なるほどなぁ…
でもスミカ先生、
なんだかワキガの定義が曖昧…?
というかよくわからなくなってきました。
脇が臭くてもワキガじゃないこともあるし、ワキガ体質なのに脇が臭くないこともあるんですよね?
ミノルくん、とてもいい観点よ。ほめてあげるわ。
そうなの、実際にワキガの定義はとても曖昧なの。
確かにアポクリン汗腺の数が多くて、なおかつワキガ特有の匂いがしていることはワキガの必須条件なんだけど、
アポクリン腺が何個以上あればワキガ、という定義もなければ、ワキガのニオイと汗臭さを判別する測定器があるわけでもないわ。
ぶっちゃけ、辞典や医学書を見ても”脇から悪臭を放つこと”程度の記述しかないのよ。
曖昧だからこそ、ワキガに関する誤解や無神経な発言が世の中に溢れてたりもするのよね…
でも、結局のところみんなが気にしてるのは「嫌なニオイ」よね?
もう一度言うけれど、 人間の体から出る体臭にはいろいろな種類があって、それぞれにきっちりとした原因とメカニズムがあるの。
それをみんながちゃんと理解できれば、
ワキガに全く効果のない対策に必死になったり
ワキガじゃないのに、ワキガじゃないかと過剰に思い悩んだり
無知ゆえのワキガへの偏見や、無神経な反応
というのもきっとなくせると私は思うのよ。
さて…
ちょっと脱線した感も否めないけど、
次の章では、アポクリン腺が活発になってワキガを悪化させるきっかけについて
勉強していきましょうね
ワキガを悪化させるきっかけ
ワキガを発症しやすい時期
生まれつきワキガ体質の人のアポクリン腺が活性化し、実際にワキガのニオイがし始めるのは、思春期などの二次性徴期から20代中頃までが多いと言われています。
そもそもワキガは異性へのアピールという役割を持つため、
ホルモンバランスが大きく変化する思春期は、アポクリン腺もその影響を受けやすいのです。
ですが、近年では食生活の欧米化に伴い、ワキガの発症も低年齢化していると言われています。
早ければ小学生から発症してしまうケースも増えているようです。
体臭との向き合い方がよくわかっていない幼い時期にワキガの悩みを抱えると、
一生を左右する大きなトラウマになりかねません。特にご自分がワキガだ、という親御さんはお子さんにも遺伝している可能性が高いので、お子さんの様子には十分注意を払ってあげてくださいね。
食生活の影響
ワキガが悪化するきっかけは成長によるもの以外にもあります。
たとえば先ほども少し触れましたが、汗の匂いには食生活が大きく関わっています。
野菜不足
ワキガと食生活の関係について調べると、お肉の食べ過ぎを注意するコメントが多く見られます。
確かに、お肉に多く含まれるたんぱく質や脂質は常在菌の格好の餌となるため、
“お肉の食べ過ぎを控える”、”脂質の少ないお魚中心の食事に変える”、といった対策は決して間違っていません。が、それは根本的な解決方法にはなりません。
たんぱく質は人間の骨や筋肉を作る非常に重要な栄養分です。
特に成長期はお肉も重要なたんぱく源ですよね。
最近では糖質の代わりにたんぱく質を積極的にとるダイエットも人気です。
本当に大事なのは、お肉やお魚と一緒に 野菜もしっかりと食べるということです。
野菜をしっかり食べるということは、健康にとってまさに百利あって一害なし。
特に体臭にとっては、野菜に含まれる食物繊維が絶大な効果を発揮するのです。
食物繊維が不足すると、消化しきれなかったたんぱく質や脂質などの不要な成分が腸内に溜まり、便秘になりやすくなります。しかもこれらの不要な成分は腸内で発酵することで悪臭を放ち、その悪臭成分は汗にも混ざって出てくるのです。
これらの成分を腸内で絡め取り、また腸を刺激することで排泄を促すのが食物繊維の役割です。
食物繊維をたくさん取り、腸内環境を整えることはワキガだけでなく、いろいろな体臭の改善に絶大な効果があります。
もちろん美容効果もバッチリです。
またワキガに限って言えば、そもそもアポクリン腺はその数や大きさの差こそあれど、ほぼ全ての人の体に存在します。
たとえアポクリン腺の少ない人でも、野菜不足の生活を続けていればワキガのようなニオイがしてもおかしくはありません。
ファストフードやスナックなどの脂質の多い食べ物はできるだけ避け、
食物繊維の多く含まれるキャベツやキノコ類、海藻などを日常的に食べるように心がけましょう。
辛いものの食べ過ぎ
短期間に辛いものをたくさん食べたことがきっかけでワキガになった、
という話をたまに聞きます。
辛いものを食べると汗が出ますよね?
辛いものを食べると交感神経が刺激され、体温上昇や一時的な緊張などが重なって、脳が条件反射的に発汗を促していると言われています。
このような発汗は味覚性発汗と呼ばれていますが、実は具体的なメカニズムはまだ解明されていません。
とはいえこの味覚性発汗が汗腺を刺激しているのは事実です。
味覚性発汗は通常、顔や首元のエクリン腺からしか汗が出ないことから、ワキガには直接関係ないとされています。ですが度が過ぎると肝臓や腸などの内臓の働きを低下させます。
肝臓の働きが低下すると、分解しきれなかった毒素や不要成分の汗からの排出が増えるため、悪い汗が出やすくなります。腸の働きについても、便秘がニオイに与える影響は食物繊維の話で説明したとおりです。
全身から汗がふき出るほどの辛い食べ物を習慣的に食べているとすれば、ワキガのニオイのきっかけになることも考えられますので控えた方が良いでしょう。
ただし適度の刺激物は新陳代謝にも良いので気にする必要はありませんよ。
何事もほどほどが肝心です。
ストレスの影響
汗には、精神的な要因で出るものがあります。
例えば緊張した時や興奮した時に汗が出ることを、「冷や汗が出る」「手に汗握る」などと表現しますが、まさにそれです。
このように精神的な要因で汗が出ることを精神性発汗と呼び、この精神性発汗もまた狩猟時代の名残と言われています。
大事な狩りの時に弓を手から落とさないように、木に登っている時に滑り落ちないように、緊張時には手や足など体の局所から汗が出るように進化したのです。
精神性発汗はエクリン腺とアポクリン腺の両方から発汗します。
比較的水分量の少ない汗が出ることが多いとされ、ニオイやすいので注意が必要です。
一度汗が出ると、ワキガのニオイが周りにバレちゃうんじゃないかと思ってハラハラする…
そうすると緊張してまた汗が出る……っていう無限ループ、よくあります。
また、当然ですが
過度のストレスや慢性的な疲労は、肝臓や内臓の機能を低下させます。
精神的にまいっているときや、疲れが溜まっているときは、実はすごくニオイやすい体になっていることを覚えておいてください。
運動不足
「運動すると汗が出ちゃうじゃん!」
と当然思うかと思いますが、実は汗はかかなければかかないで汗腺の機能が弱ってしまうのです。
汗腺は汗と一緒に不要な成分を流し出す機能を持っています。
しかし同時に、本来カラダに必要な成分が余分に流れ出てしまうのを防ぐ、フィルターのような役割も担っているのです。
つまり汗腺の機能が弱ると、常在菌の餌になりやすい成分をたくさん含んだ悪い汗が出やすくなるのです。
前述したスポーツ選手の例のように、普段から良い汗をかいている人は汗腺が鍛えられています。そのためミネラルやたんぱく質などの成分が必要以上に汗として流れ出るのを防ぐ機能が発達しているのです。一方で本当に必要のない成分は、汗として普段からこまめに流れ出ているので、一度に質の悪い汗が出ることは少なくなります。
クーラーの効いた部屋で1日中過ごし、運動は家から駅まで歩くだけ・・・という生活を送っているあなた。
最近いつ汗をかきましたか?
会議やプレゼン、テストやデート・・・ここぞという正念場で緊張した時に出る汗は、
ベトっとしたニオイやすい汗かもしれませんよ。
ワキガの原因 まとめ
さて、ここまでで
・ワキガの嫌なニオイと、汗の関係って?
・そもそもどっからがワキガ?
・いつ、なんでワキガになるの?
・ワキガを悪化させる習慣は何?
という疑問について学んできました。
これらを踏まえて、ワキガの原因についてわかりやすいように順序立ててまとめてみましょう。
ワキガの6つの原因
1.ワキガの元になるのは、主にアポクリン腺から出る汗
人間の汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、
ワキガの原因となるのはアポクリン腺から出る汗です。
2.汗は常在菌による分解でクサくなる
汗は一度体の外に出てから、皮膚表面にいる常在菌により分解されることでニオイを放ちます。
特にアポクリン汗に含まれる汗は、ジフテロイド菌の餌となるたんぱく質や脂質を多く含み、強いニオイを発生させます。
3.ワキガは生まれつきの体質である
ワキガは、生まれつきアポクリン腺の数が多いという遺伝的体質で、
思春期から20代中頃にかけて活性化しやすい傾向にあります。
4.食生活の乱れによりワキガのニオイは悪化する
野菜不足や偏った食生活は、常在菌の餌となる成分が汗から流れやすくなるため、
ワキガを悪化させる原因になります。
5.運動不足によりワキガのニオイは悪化する
汗をまったくかかない生活は、かえって汗腺のフィルター機能を弱めてしまい、質の悪い汗を流してしまいがちです。
6.ストレスフルな生活もワキガのニオイを悪化させる
ストレスは万病のもと。ワキガもその例外ではありません。
ワキガだからと言って悩みすぎるのは、精神性発汗を促し、かえってワキガを悪化させます。
さて、ワキガの原因に関して全体像が把握できたかしら?
もしかすると
みっつめの 3.ワキガは体質である なんかは、「原因」といわれると少しニュアンスが違う気がするかもしれないわね。
でもこれは「なんでワキガになるの?」「そもそもワキガって何?」という疑問への回答でもあるし、
なにより、
ワキガになるかならないかは本人の意思ではどうしようもない
という事をワキガの人もそうでない人も、みんなに知ってもらうためにとても重要なポイントなの。
生まれついたものだから、体質自体をどうこうするのは容易なことではないのだけれど
その他の要素、“汗” “常在菌” “食生活” “運動不足” “ストレス”などをきっちりとケアしてあげれば、
最大の問題である嫌なニオイは劇的に改善させることが可能なの。
これらのケアに必要なのが、制汗剤の広告のおしゃれさでも製造メーカーの規模でもないのはもうわかるわよね。
次のページでは、これらのワキガの原因をどのようにケアしてあげればニオイが改善されるのか、
具体的なワキガ対策の実践方法について解説しています。
このページで学んだワキガのメカニズムに関する知識をフル活用して、
確実に効果のあるワキガ対策を実践していきましょうね。
[…] 「ワキガの6つの原因とメカニズムを徹底的に解説!」ではこれらの原因についてより詳しく説明しました。 そちらを先に読むとさらに理解が深まりますが、 時間がない!という人のために、ここでもワキガの原因について簡単におさらいしておきましょう。 (記事名原因をすでに読んだ方はとばしてもらっても大丈夫ですよ >ワキガ対策の章までスキップ<) […]